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晴れ時々某月某日

摂食障害から始まりアルコール依存や認知症を経て自己治療に至るまでの約20年を収めたルポ作品。新聞記者である著者が妻の異変に気づいたことから始まるこの作品は、障害や孤立といった社会問題を通じてごく身近に存在する生きづらさを新聞記者らしい明瞭な読みやすい文章で書かれている。また病院やカウンセリング、自助グループ等の社会資源の在り方は考えさせられ、当事者に対する気持ちや向き合い方は家族や支援者としても得るものが多いだろう。僕が常に伝えている「周辺におられる方々も当事者だ」ということが読み取れる作品でした。

著者も文中で書かれている通り、この作品はあくまで一家族の在り方であり、この方法が正しいとは決して思わないでほしく、また同じ経験をしておられる方々にとっては何らかのヒントになると思います。読み手は選ばれるかもしれませんが、辛くなれば閉じられるのも本の良さ。無理せず読んでみてください。新刊。


妻はサバイバー

妻に異変が起きたのは、結婚4年目、彼女が29歳の時だった。摂食障害、アルコール依存症……。介護と仕事、その両立に悩み続けた20年近くにわたる自らの体験を、貧困ジャーナリズム賞受賞歴もある朝日新聞記者が克明に綴る。


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