某月某日
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県外からきたというお客さんから話を聴いてほしいとの声がけがあった。話を聴きながら状況を整理し、最終的に専門的な相談窓口に繋がってみようという流れで落ち着いた。内容は簡単に話せるものではなく、ひとりで抱えるには負担の大きなものだった。
持ち込まれる相談は解決を必要とするものとケアを必要とするもの、およそ二通りに分けられる。やり取りの中ではそれが複雑に絡み合い、本人の能力に合わせた落としどころを一緒に探すわけだが、相談窓口を社会資源に当てはめた場合、情報提供はできるがケアまで手が届かないのが現状ではないかと考えている。
情報提供ができても相談者がなんらかの理由で行動に起こせないことはそこかしこで見受けられる。業務内容の決まっている社会資源などであればケアに費やす時間も限られてくるだろうし、そう考えるとケアの必要性はどんどんあがっていく。僕の立ち位置は気持ちの底上げや安定、整理などが中心になった活動となるだろう。情報は知っているが繋がることに抵抗のある人たちの多さ、である。
鼻で笑われていたお店だが新しくつながる人も確実に増え、僕の自信にもなっている。日本三大シンクタンクといわれる野村総合研究所さんからのお声がけがあったことも大きい。
店舗周辺で新しい工事が始まっている。アスファルトをめくる大きな音が聞こえるなか、ひとりの常連さんがやってきた。ひと段落し、練習を始めていたときだった。古本屋の店主がまた馬鹿なことを始めやがったと、その男性。僕にとっては最高の褒め言葉である。