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晴れ時々某月某日

 仮に同じ表現という行為であっても方法は様々で、文学や音楽、絵画や造形、踊りやなんかにはそれぞれにしか出来ない事があり、その各々の持つ特性を活かして作家は身悶え表現し、観るものに何らかを与えてくれる。

店に居たり事務所で仕事をしてるとそれはそれで刺激的な出来事は起こるのだが何か違った刺激というか別のアプローチが欲しくなり、先日高岡市美術館にて開催されていたジェネ展という地元作家によるグループ展に足を運ぶ。幅広い年齢層から13名の作家が集まり35点程の作品が並べられており、お店の常連さんや友人も出展していた事から説明を聞きながら観覧することも出来、なかなか有意義な時間を過ごさせてもらった訳だがその中でふと思う事があった。

所謂福祉関係の仕事に就き、また自身で開業してからというものの毎日の様に人の話を聴いているのだが、個人と組織の在り方について考えさせられる事が本当に増えた。組織には組織の良さがあり組織だから出来る事もあるが、組織故に出来ない事もある。制度も時には有効な手段となるが、利用出来ない事が分かると絶望しか残らないどころか、より細かい線引きをする事によって当てはまる事が出来なくなり更に追い込まれてしまう現実がある。人間の感情を機械的に管理する事自体がまず無理なのではないのかと常に違和感を持っているが、集団というのは強固で与える影響力も大きい。この違和感や問いが結果古本なるやという形になったのだが、これはやはり個人だから出来る事であり、個人でしか出来ない事を絶やさない為にも、今後個人を反映させることをもっと大切にしなければならないのではと会場内の作品を眺めながら思う。

必要であれば制度を利用すればよい。その為の支援先は山ほど存在する。その前に、それとは別に個人で出来る事も沢山ある。常に支援が先行している気がするけれど、もっと近くにある個人の意識が変われば、少しは生き易い世の中になるのではないかと思いながら今日もゆっくり本を磨く。

久しぶりに文章が書けた事を嬉しく思う。作家の皆様には感謝です。


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