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晴れ時々某月某日

修理工場から一台の自動車が出てきた。長きにわたり崩れていた調子が戻った様子でぐんぐんとスピードを上げて走った。久しぶりに走ったせいで気持ちが高ぶったのか停まることを忘れてしまい、気がつくと見知らぬ土地で燃料が切れてしまった。辺りは真っ暗で寂しくなり、その自動車は「誰かいないかー」とホーンを鳴らした。しばらく待っていると、一台のバスが向こう側からやってきてバス停で止まった。中から帽子を被った楽団が行進曲を演奏しながら降りてきた。その行進曲に合わせて自動車が歌うと、燃料のメモリがひとつ光った。自動車は帰りの方角を確かめて、続きを歌いながらゆっくりと走り始めた。


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