お昼寝
大きな栗の木の下であなたとわたしが遊ぶのはちょっと危険だけど人を守ると言われている樟だと思われる大きな木の下だと安心してお昼寝ができそうなんて考えながらうとうとしていたそんなわたしはいつの間にかその大きな樟の下で一生覚めないでほしい夢を見た わたし...
14グラムの後悔
対岸に見える小さな灯りがわたしのものであると思えたとき 水面に揺れ映るその光の橋はわたしを渡らせまいと途中途切れ 等間隔で整列するいつかの滲みを備えた橋脚の間隔が 取るべき人との距離感ではないことを知らしめようとする 項垂れた街灯の頭がつくるその影は...
降り立った日
群青色の大きな影の背がすこしずつ低くなり 蜜柑色の涙は遠く離れる 憶えていますか 1277話目の物語は白い屋根の下から始まり 向こうに見える街灯の下までたどり着く前に終わる 変わらず水のない海を泳ごうとしています 見上げると透き通った悲しい顔がこちらを見な...