私は富山市の中心街付近に住んでいる。西町、総曲輪、中央通りの目と鼻の先だ。


生まれも育ちも変わらない。一時期は東京に出たこともあるが、長くこの街を見ている。


小学校は全校生徒合わせても350人位の小さな学校だった。小学校3年生の時にイジメにあい、ひとりぼっちになってしまった。誰にも言えず、とても辛かった。

そんな時に私が興味を持ち、和やかな気持ちにさせてくれた趣味が、レコード屋さんと本屋さんだった。小学校の高学年になった時にはひとりでレコード屋さんや本屋さんに行くようになった。

特に好きだったのは、古本屋さんを探すことだった。このページを見ている方には共感いただけるかと思うが、古本屋さんの雰囲気が、匂いが好きだった。当時は、方角だけを決めて自転車を走らせればどこかに古本屋さんを見つけることができた。店内に入った時のドキドキは今も忘れない。薄暗く怪しい雰囲気を感じたのも心地よかった。(中には明らかにエロ本が主力商品だという店もあったが、それはナイショ。)


やがて、郊外に大型書店がいくつもできた。それによって、街の書店が少しずつなくなっていった。総曲輪通りにあった老舗の書店がなくなった時にはあまりのショックに涙した。そして、大型古本屋さんがあちこちに出店し、街の古本屋さんはほぼ壊滅した。

私の幼い原風景がどんどん壊されていくような気がした。


インターネットの普及による影響もあるだろう。街の風景は変わってしまった。

私もネット通販の恩恵を受けている。偉そうなことは言えない。

けれど、書籍やレコードを店舗で販売しているひとたちがいるというありがたい状況もある。

サブスクリットが全盛だと言われる現在ではあるが、物理的媒体に対する魅力を感じるひとは決していなくならないと思う。さらに、物理的物欲と言えばいいか、モノに対しての欲求はなくならないのではないかとも思う。私はそのひとりだ。

電子の便利さよりも、モノの不都合さを選ぶひとはきっとなくならない。そう思う。


なるやはそんなアナログ欲求を満たしてくれるのだと思う。私は、店に行くたびにあの頃を思い出す。これはとても大事にしたい。


なんとなーく、そんなことを思った。

                                                  書き手 ek


カテゴリーリスト


痴的好キ心 カテゴリーリスト



古本なるやのオススメ

古本なるやの店主のページ